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胆道癌の遺伝子異常

胆道癌

ゲノム解析の進歩に伴い、胆管癌においても遺伝子異常の解析が進められています。
肝内胆管癌で多く認められる遺伝子異常としては、IDH1BAP1FGFR2、肝外胆管癌で多く認められる遺伝子異常としては、KRASSMAD4TP53STK11が報告されています。

胆管癌における
遺伝子異常(海外データ)

■肝内胆管癌で多く
認められた遺伝子異常

n(%)

遺伝子 肝内胆管癌 (n=158) 肝外胆管癌 (n=37)
IDH1 46(29.1) 2(5.4)
BAP1 30(19.0) 0
FGFR2 20(12.7) 0

■肝外胆管癌で多く
認められた遺伝子異常

n(%)

遺伝子 肝内胆管癌 (n=158) 肝外胆管癌 (n=37)
KRAS 11(7.0) 14(37.8)
SMAD4 8(5.1) 11(29.7)
TP53 28(17.7) 18(48.6)
STK11 1(0.6) 4(10.8)

【対象・方法】
2014年7月から2年間で組織学的に胆管癌と診断された患者195例(肝内胆管癌158例、肝外胆管癌37例)から得た腫瘍組織を用いて、MSK-IMPACT検査により410のがん関連遺伝子を網羅的に調べ、臨床的特性と遺伝子異常との関連性をFisherの正確確率検定により評価した。

Lowery MA, et al. Clin Cancer Res. 2018; 24(17): 4154-4161.より改変

日本では、胆管癌を有する日本人患者102例(肝内胆管癌66例、肝外胆管癌36例)について遺伝子異常が調査され、肝内胆管癌患者の13.6%(9/66例)にFGFR2融合遺伝子が認められたことが報告されています。

日本人胆管癌における
FGFR2融合遺伝子の
発現状況

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日本人胆管癌におけるFGFR2融合遺伝子の発現状況

肝内胆管癌及び肝外胆管癌におけるFGFR2融合遺伝子、KRAS遺伝子変異及びBRAF遺伝子変異について、それぞれ赤、緑、青で示した。

【対象・方法】
全トランスクリプトームシーケンスを受けた8例を含む日本人胆管癌患者から得た腫瘍組織標本102検体(肝内胆管癌66検体及び肝外胆管癌36検体)についてRT-PCR及びサンガーシーケンス解析を行い、FGFR2融合遺伝子の陽性率を検出した。

Arai Y, et al. Hepatology. 2014; 59(4): 1427-1434.

日本人胆道癌患者を対象とした多施設共同前向き観察研究であるPRELUDE試験では、肝内胆管癌患者の7.4% (20/272例)、肝門部領域胆管癌の3.6%(3/83例)にFGFR2遺伝子の再構成が認められたことが報告されています。

多施設共同前向き観察研究 PRELUDE試験

■試験概要

目的
胆道癌患者におけるFGFR2遺伝子の再構成検出率、臨床病理学的特性を分析する
対象
進行性又は再発胆道癌患者445例
選択基準
1. 肝内胆管癌、肝門部領域胆管癌、遠位胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌を含む胆道癌
2. 組織学的に腺癌又は腺扁平上皮癌が確認されている
3. 化学療法を予定している又は化学療法を受けた患者
方法
多施設共同前向き観察研究(国内20施設)。2014年3月から2016年2月に登録された209例、2016年10月から2018年11月に登録された236例(計445例)のうち、423例(肝内胆管癌272例、肝門部領域胆管癌83例、その他の胆道癌68例)のホルマリン固定された手術又は生検による検体のパラフィン包埋腫瘍サンプルをFISH(蛍光in situ ハイブリダイゼーション)で分析し、FGFR2遺伝子の再構成を検出した。FISH陽性、陰性のいずれもターゲットRNAシーケンスを実施した。
評価項目
胆道癌患者におけるFGFR2遺伝子の再構成検出率
解析計画
FGFR2遺伝子の再構成と人口学的特性との相関はFisherの直接検定及びロジスティック回帰分析を用いた。 検定は両側とし、p<0.05を統計学的に有意とした。

■患者背景

n(%)
性別
男性 280(66)
女性 143(34)
年齢(歳)
>65 191(45)
≦65 232(55)
使用された腫瘍検体
切除 152(36)
生検 271(64)
ステージ
転移 221(52)
切除後の再発 108(26)
局所進行 94(22)
n(%)
分類
低分化腺癌 75 (18)
中分化型/高分化型 166 (39)
不明 182 (43)
原発巣
肝内胆管癌 272 (64)
肝外胆管癌 肝門部領域胆管癌 83 (20)
遠位胆管癌 20 (5)
胆嚢癌 43 (10)
乳頭部癌 5 (1)

FGFR2遺伝子の再構成検出率

横にスワイプで閲覧できます
全体, n 445
FISHの結果が得られた患者 423
FISHによるFGFR2遺伝子の再構成検出結果 FISH陽性 FISH陰性 合計
肝内胆管癌 21 251 272
肝門部領域胆管癌 4 79 83
FISH+ターゲットRNAシーケンスによる
FGFR2遺伝子の再構成検出結果
FGFR2遺伝子の再構成陽性 FGFR2遺伝子の再構成陰性 合計
肝内胆管癌 20(7.4%) 252 272
肝門部領域胆管癌 3(3.6%) 80 83

その他の胆道癌は、遠位胆管癌20例、胆嚢癌43例、乳頭部癌5例で、いずれもFGFR2遺伝子の再構成陰性であった。

Maruki Y, et al. J Gastroenterol. 2020 Oct 26. doi:10.1007/s00535-020-01735-2 [Online ahead of print]

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