肛門管扁平上皮癌:臨床成績 肛門管扁平上皮癌 国際共同第Ⅲ相試験[INCMGA 0012-303試験(POD1UM-303):日本人を含む海外データ]本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含みますが、承認時に評価された資料であるため掲載します。承認時評価資料:国際共同第Ⅲ相試験[INCMGA 0012-303試験(POD1UM-303)]Rao S, et al. Lancet. 2025; 405(10495): 2144-2152.本試験はIncyte社の資金提供のもと実施され、著者に同社より学会渡航費、研究費、コンサルタント料を受領している者及び同社の顧問、社員が含まれる。ページ内メニュー試験概要無増悪生存期間(PFS)【主要評価項目(検証的な解析項目)】全生存期間(OS)(中間解析)【重要な副次評価項目(検証的な解析項目)】奏効率(ORR)【その他の副次評価項目】病勢コントロール率(DCR)【その他の副次評価項目】奏効期間(DOR)【その他の副次評価項目】日本人集団における有効性評価(サブグループ解析)安全性(治験薬投与期)日本人集団における安全性評価(サブグループ解析)試験概要横にスワイプで閲覧できます 無増悪生存期間(PFS)【主要評価項目(検証的な解析項目)】PFS中央値(95%CI)は、ジニイズ®+化学療法群で9.3ヵ月(7.5, 11.3)、プラセボ+化学療法群で7.4ヵ月(7.1, 7.7)でした。プラセボ+化学療法群に対するジニイズ®+化学療法群のPFSのハザード比は0.63(95%CI:0.47, 0.84)であり、ジニイズ®+化学療法群で統計学的に有意な延長を示しました(片側p=0.0006、層別log-rank検定、片側有意水準2.5%)。■ PFS(BICR判定、FAS)横にスワイプで閲覧できます BICR:盲検独立中央判定、CI:信頼区間、HR:ハザード比、PD:進行、PFS:無増悪生存期間a)PFS中央値はKaplan-Meier法を用いて推定し、95%CIはBrookmeyer and Crowley法を用いて算出した。b)PFSは片側有意水準2.5%で検定した。c)層別Cox回帰及びタイデータを処理するためのEfron法によりHRを推定した。d)本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含むが、承認時に評価された資料であるため掲載した。PFSの定義は、ランダム化日から、固形癌の治療効果判定規準(RECIST)v1.1に基づくBICR判定で初めてPDと判定された日又は原因を問わない死亡日のいずれか早い方までの期間とした。月数は日数を30.4375で割って算出した。 ■ PFSのKaplan-Meier曲線(BICR判定、FAS)横にスワイプで閲覧できます 全生存期間(OS)(中間解析)【重要な副次評価項目(検証的な解析項目)】OS中央値(95%CI)は、ジニイズ®+化学療法群で29.2ヵ月(24.2, NE)、プラセボ+化学療法群で23.0ヵ月(15.1,27.9)でした。プラセボ+化学療法群に対するジニイズ®+化学療法群のOS(中間解析)のハザード比は0.70(95%CI:0.49, 1.01)でした(片側p=0.0273、層別log-rank検定、片側有意水準2.5%)。■ OS(中間解析、FAS)横にスワイプで閲覧できます CI:信頼区間、HR:ハザード比、NE:推定不能、OS:全生存期間a)OS中央値はKaplan-Meier法を用いて推定し、95%CIはBrookmeyer and Crowley法を用いて算出した。b)OSは、PFSが片側有意水準2.5%で統計学的に有意であった場合に検定された。ジニイズ®+化学療法群のp値は、O’BrienとFlemingの境界を用いて中間解析時のαの消費を制御し、全体として片側有意水準2.5%での層別log-rank検定に基づいている。c)層別Cox回帰及びタイデータを処理するためのEfron 法によりHRを推定した。d)本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含むが、承認時に評価された資料であるため掲載した。OSの定義は、ランダム化日から原因を問わない死亡日までの期間とした。月数は日数を30.4375で割って算出した。 ■ OSのKaplan-Meier曲線(中間解析、FAS)横にスワイプで閲覧できます 奏効率(ORR)【その他の副次評価項目】ORRは、プラセボ+化学療法群の44.2%(95%CI:36.2, 52.4)に比べて、ジニイズ®+化学療法群では55.8%(95%CI:47.6, 63.8)と良好でした(片側p=0.0129、層別Cochran-Mantel-Haenszel検定、名目上のp値)。■ ORR及び最良総合効果(BOR)(BICR判定、FAS)横にスワイプで閲覧できます BICR:盲検独立中央判定、CI:信頼区間、CMH:Cochran-Mantel-Haenszel、CR:完全奏効、ORR:奏効率、PD:進行、PR:部分奏効、SD:安定a)最初のPD又は抗悪性腫瘍剤を用いた次治療の開始までに、ベースライン後のいずれかの来院で総合効果がCR又はPRと判定された場合、患者を客観的奏効例とみなした。b)CIは二項分布の正確法に基づいて算出した。c)名目上の片側p値は、層別化CMH検定を用いて算出した。d)最良総合効果(BOR)は、CR>PR>SD(非CR/非PD)>PD>評価不能の順で確定された最良の腫瘍縮小効果と定義され、最初のPD又は抗悪性腫瘍剤を用いた次治療の開始まで記録された。e)本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含むが、承認時に評価された資料であるため掲載した。 病勢コントロール率(DCR)【その他の副次評価項目】DCRは、ジニイズ®+化学療法群で87.0%(95%CI:80.7, 91.9)及びプラセボ+化学療法群で79.9%(95%CI:72.7, 85.9)であった。■ DCR(BICR判定、FAS)横にスワイプで閲覧できます BICR:盲検独立中央判定、CI:信頼区間、CR:完全奏効、DCR:病勢コントロール率、PD:進行、PR:部分奏効、SD:安定a)DCRは、最初のPD又は抗悪性腫瘍剤を用いた次治療の開始までに、ベースライン後のいずれかの来院で総合効果がCR、PR、SD又は非CR/非PDと判定された患者の割合と定義した。b)CIは二項分布の正確法に基づいて算出した。c)本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含むが、承認時に評価された資料であるため掲載した。 奏効期間(DOR)【その他の副次評価項目】奏効例におけるDOR中央値(95%CI)は、プラセボ+化学療法群の7.2ヵ月(95%CI:5.6, 9.3)に比べて、ジニイズ®+化学療法群で14.0ヵ月(95%CI:8.6, 22.2)と長かったです。■ DOR(BICR判定、FAS)横にスワイプで閲覧できます BICR:盲検独立中央判定、CI:信頼区間、CR:完全奏効、DOR:奏効期間、PD:進行、PR:部分奏効a)固形がんの治療効果判定規準(RECIST)v1.1に基づくBICR判定でCR及びPRが確定された患者b)奏効例数を分母とした。c)95%CIはBrookmeyer and Crowley法及びKlein and Moeschberger法を用い、log-log変換して算出した。d)本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含むが、承認時に評価された資料であるため掲載した。 ■ DORのKaplan-Meier曲線(BICR判定、FAS)横にスワイプで閲覧できます 日本人集団における有効性評価(サブグループ解析)日本人集団におけるサブグループ解析については、治験実施計画書・統計解析計画書で計画した解析ではないものの、本邦での製造販売承認申請にあたって実施し、承認審査の過程で評価を受けました。本試験に参加した日本人集団は、ジニイズ®+化学療法群8例及びプラセボ+化学療法群8例の計16例でした。日本人集団におけるPFSを含む有効性評価項目の結果は下記のとおりでした。■日本人集団における有効性評価項目の要約横にスワイプで閲覧できます BICR:盲検独立中央判定、BOR:最良総合効果、CI:信頼区間、CR:完全奏効、DCR:病勢コントロール率、HR:ハザード比、NE:推定不能、ORR:奏効率、OS:全生存期間、PD:進行、PFS:無増悪生存期間、PR:部分奏効、SD:安定a)PFS及びOSの中央値はKaplan-Meier法を用いて推定した。PFS及びOSの中央値のCIは、Brookmeyer and Crowley法を用いて算出した。b)層別Cox回帰及びタイデータを処理するためのEfron法により、HRを推定した。c)最良総合効果は、CR>PR>SD(非CR/非PD)>PD>評価不能の順で確定された最良の腫瘍縮小効果と定義され、最初のPD又は抗悪性腫瘍剤を用いた次治療の開始まで記録された。d)最初のPD又は抗悪性腫瘍剤を用いた次治療の開始までに、ベースライン後のいずれかの来院で総合効果がCR又はPRと判定された場合、患者を客観的奏効例とみなした。e)DCRは、最初のPD又は抗悪性腫瘍剤を用いた次治療の開始までに、ベースライン後のいずれかの来院で総合効果がCR、PR、SD又は非CR/非PDと判定された患者の割合と定義した。f)本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含むが、承認時に評価された資料であるため掲載した。 安全性(治験薬投与期)安全性解析対象集団306例における投与期間及び投与回数の中央値(範囲)は、ジニイズ®+化学療法群(154例)で225.5日(1,445日)及び9.0回(1, 13回)、プラセボ+化学療法群(152例)で207.0日(1,416日)及び8.0回(1, 13回)でした。<副作用>副作用は、ジニイズ®+化学療法群で154例中138例(89.6%)、プラセボ+化学療法群で152例中118例(77.6%)に認められました。ジニイズ®+化学療法群に発現した主な副作用(発現頻度>10%)は、無力症[ジニイズ®+化学療法群及びプラセボ+化学療法群でそれぞれ51例(33.1%)及び37例(24.3%)、以下同順]、下痢[39例(25.3%)及び19例(12.5%)]、貧血[28例(18.2%)及び34例(22.4%)]、疲労[27例(17.5%)及び25例(16.4%)]、悪心[26例(16.9%)及び38例(25.0%)]、そう痒症[24例(15.6%)及び5例(3.3%)]、甲状腺機能低下症[20例(13.0%)及び4例(2.6%)]、発疹[17例(11.0%)及び8例(5.3%)]でした。<重篤な副作用>重篤な副作用は、ジニイズ®+化学療法群で154例中25例(16.2%)、プラセボ+化学療法群で152例中10例(6.6%)に認められました。ジニイズ®+化学療法群に認められた2例以上(発現頻度>1%)の重篤な副作用は、貧血、副腎機能不全、リパーゼ増加及び斑状丘疹状皮疹が各2例(1.3%)でした。これらの事象の発現割合はプラセボ+化学療法群ではいずれも0例(0%)でした。<投与中止に至った副作用>投与中止に至った副作用は、ジニイズ®+化学療法群で154例中14例(9.1%)、プラセボ+化学療法群で152例中2例(1.3%)に認められました。2例以上に発現した投与中止に至った副作用は、ジニイズ®+化学療法群で、免疫性腸炎2例(1.3%)であり、その他の投与中止に至った副作用は全て各1例(0.6%)、プラセボ+化学療法群で全て各1例(0.7%)でした。<死亡に至った有害事象>死亡に至った有害事象は、ジニイズ®+化学療法群で154例中4例(2.6%)、プラセボ+化学療法群で152例中1例(0.7%)に認められました。内訳は、ジニイズ®+化学療法群で、肺炎、敗血症、汎血球減少症、腹膜転移が各1例(0.6%)で、汎血球減少症が本剤との関連ありと判断されました。プラセボ+化学療法群では肺炎1例(0.7%)が認められ、プラセボとの関連なしと判断されました。日本人集団における安全性評価(サブグループ解析)日本人集団における副作用は、ジニイズ®+化学療法群で8例中6例に認められました。ジニイズ®と関連のある2例以上の副作用は、副腎機能不全3例、リパーゼ増加及びそう痒症が各2例でした。6. 用法及び用量 パクリタキセル及びカルボプラチンとの併用において、通常、成人には、レチファンリマブ(遺伝子組換え)として、1回500mgを4週間間隔で30分間かけて点滴静注する。製品基本情報はこちら→